SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
CATEGORIES
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS

08
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--

なんでもかんでも

<< 運転席からの日本とニューヨーク | main | New York おいしいレストラン >>
逆カルチャーショックその2
0
    by藤井郷子

    日本は安全だ。最近めっきり治安が悪くなったとよく耳にするが、ここ10年す っかり治安の良くなったニューヨークと比べてもはるかに安全だ。治安が良いという 事は、日本が誇れる事のひとつだと思う。こんなに平和で安全な日本で、それでも時 々不安になる事がある。

    JRの在来線に乗っていた時の事だ。夜8時頃、その日は 日曜日だったせいか、1車輛に30人程しか乗客はいなかった。小さな駅で、ドアが 閉まりかけた時に飛び乗ってきた若い女性がいた。ドアに挟まれた女性は、自力でそ のドアを押し開けようとした。普段ならすぐ開くはずのドアが、その時に限って全く 開かない。そのまま発車したら、大変な事になる。ドアの比較的近くに座っていた私 は、ドアを開けるのを手伝った。私の他にもうひとり若い男性が反対側のドアを開こ うと手を貸した。それでもドアは微動だにしない。なんと、同じ車輛にいてその様子 を見ている他の人々は、何もしようとしないのだ。しばらくして、ドアは開いた。で も、表情ひとつ変えずに様子をただ見ていた人々に私は本当に怖くなった。関わりあ いになりたくなかったのか、あるいは皆と同じ事をして自分だけ目立たない様にとい う徹底した日本の教育の成果なのか、、、?もし、その女性がドアに挟まれたままで 電車が動いていたらどうなった事だろう。それでも無理して乗車したその女性と、安 全確認を怠ったJRの職員が全て悪く、何もせずに見ていた乗客には責任がないのだろ うか?

    テレビ、新聞等の情報が多いのは便利で良い事なのだろうが、それに惑わ される人が多い事にも不安になる。子供にピアノを習わせたいというお母さんと、話 しをする事がある。小学校1年生の子供にピアノを習わせるのに、今からではもう遅 いので専門家にはできないとおっしゃる。何を根拠にそんな風に考えるのか伺ってみ ると、テレビで著名なピアニストがそう言っていたという。話しの前後関係がわから ないので、そのピアニストがどういう意味でそう言ったのかは私にはわからない。で も、それでは小学校入学前の子供の将来をもう決めなくてはいけないという事なのか ?中には、親族に音楽家がいなければ、専門家になるのは無理という人もいるらしい 。お母さん達は素人で、そういった『プロ』のテレビ、新聞での発言は絶対かもしれ ない。でもちょっと待って!常識ある人ならそんな事はナンセンスであるとちょっと 考えればわかるはずだ。もう専門家には無理というお母さんの発言は確実に子供の将 来を狭めている。

    視聴率の高い、あるテレビ番組でココアが体に良いと言ったた めにココアが全国の食料品店で売り切れ、ココアのメーカーが『24時間体制で製造 しているので、しばらくお待ち下さい。』というお詫びの広告が新聞に載ったらしい 。もちろん、ココアが体に良いというのはデタラメではないだろう。元気に過ごした いという健康願望は誰でも持っているし、それが簡単に得られれば、こんな良い事は ないだろう。でも私が怖いと感じるのは、それをテレビで放送した次の日にココアが 売り切れるという現象だ。単一民族である程度同種の価値観を国民が共有する日本だ からこその出来事に違いないが、もしそれがココアではなく、思想的な事だったらと 考えるととても怖くなる。

    もうしばらくしたら、そんな事何も怖く感じなくなる かもしれない。だから私もココアを買いにいく様になる前に、書いておこうと思った 。

     
    | エッセイ by 藤井郷子 | 14:21 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









    http://blog.librarecords.com/trackback/229