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なんでもかんでも

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2015年Tobira北米ツアー
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    by 藤井郷子

    11/14
    朝はホテルの朝食。アメリカの安いチェーンのホテルに泊まると、ほとんど必ずあるワッフルを作る焼き器。たこ焼き器みたいな電化製品で自分でワッフルを焼き、オレンジジュースにベーグルにコーヒー。ホテルのシャトルで空港に向かい、空港でランチにしてから、地下鉄で共演者ジョー・フォンダ宅に向かう。ニューヨークもベルリンも東京の地下鉄のように、オンタイムで頻繁に運行しているわけではないから、移動には余裕を持たないと遅刻する。この日も十分余裕を持たせたつもりなのに、ギリギリになってしまった。ジョーのアパートでエスプレッソを一杯ごちそうになってから、彼の車で今夜演奏するコネチカット州ミドルタウンに向かう。会ったこともないのに、共演を申し出てくれたジョー、噂通りの気さくでオープンなイタリア系おじさん。2時間弱のドライブ中も常にこちらに気を使ってくれて、話がはずむ。
    今夜の会場は、本屋の小さなホール、様々な文化的催しをしていて、今夜はジョーが定期的に組んでいるフェスティバル。私たちの他に、アラン・チェースとドミニク・イーダのデュオ、ジミー・グリーンのサックスソロと3セット。アラン・チェースは、私のニューイングランド音楽院時代のアンサンブルクラスの先生だったので、20年ぶりくらいの再会だ。ジミー・グリーンはお会いしたことはなかったが、共通の友人がいて、コネチカットの小学校乱射事件で、お嬢さんが犠牲になったとの話を以前から聞いていた。ジョーとのデュオを1セット一曲のインプロ。ジョーの演出で、最後に田村が客席後方から吹きながら登場。これが、結構効果的だった。インプロでの初共演は常に刺激的だ。その緊張感もあって、気持ち良い演奏になった。小さな町だが、優秀な大学があるせいか、知的に洗練されているという印象の観客も多いに楽しんでくれた。
    演奏後は、ジョーの車でダイナーに夕食に行く。時間も遅いので、チリコンカルネとイングリッシュマフィンのトーストだけで、軽めに済ます。
    ホテルまで、ジョーに送ってもらう。ジョーはこの街に長く住んでいたことがあり、ここでワダダ・レオ・スミスと会い、ブラクストンと共演を始めた。その後ニューヨークに引っ越したが、お嬢さんが住んでいて、今夜はそこにお泊まりとのこと。
    ジョーに車でホテルに送ってもらい、翌日朝食を一緒にしようと話し、別れる。
     
    11/15
    ジョーの車で街に朝食を食べに行く。カウンターだけの店でアメリカの典型的な朝食。アメリカンコーヒーをガブガブと飲み、私はサニーサイドとイングリッシュマフィンのトースト。常連さん達皆知り合いという感じで、くつろいだ温かい雰囲気。ホテルにいったん戻り、荷物を整理して、今日の公演地、メイン州のポートランドに向かう。
    今日の公演地、メイン州ポートランドに向かう車でミンガスを聞いたり、ヘンリー・スリッドギルを聞いたり。ワダダ・レオ・スミスのとてもおもしろい「間」のコンセプトの話も聞く。アメリカのミュージシャン、オーネットやワダダ・レオ・スミスやヘンリー・スリッドギル、皆独自の理論やコンセプトを持っている。昔どこかで日本の芸術はその理論の確立が希薄なために、ヨーロッパの芸術のような発展、展開をできないという意見を聞いたことを思い出した。聞きかじったワダダ・レオ・スミスの「間」のコンセプト、音と音の間の無音の部分を泊数ではなく、フレーズで感じるというのは、日本の「間」の感覚に近い気がする。勝手に解釈して即興で試すと今までとは違ったものが感じられてとてもおもしろい。
    携帯電話のGPSを頼りに、ポートランドのオーガナイザー、ポールの家に着く。彼とは長い付き合いで、5ヶ月前にもKAZEで来ている。ポールはポートランドで高校生等を対象に夏のミュージックキャンプを行っている。ここから輩出したミュージシャンは、デヴィン・グレイ等、もう一線で活躍している。みんなポールのことを慕っていて、コンサートでポールの写真のTシャツを売っているくらいだ。
    コンサートは町の教会で、今日は2セット。1セット目はジョーとのデュオ、2セット目は田村も加わりトリオで行う。ポールが育てたのはミュージシャンだけでなく、熱心な聴衆もだ。いつもここでは気持ち良く演奏させてもらう。
    終演後は各種のビールを置いてあるレストランで、ビールと軽食。私はカニ肉サンドをいただく。ここは、オマールロブスターの産地。ロブスターレストランに行けないのは、残念だった。
     
    11/16
    朝、ホテルから空港までジョーに送ってもらう。11時過ぎのフライトなので、9時には空港に着くように、8時半にホテルを出た。空港で朝食を済ませ、今日からまたTobiraでのツアーの続きだ。ポートランドからニューアーク空港まで南下し、乗り換えてバッファローまで北上する。行ったり来たりだが、それが一番効率的で安価な航空券。バッファローの空港でニューヨークから別便で先についていたトッドと井谷と合流する。主催者の迎えの車で、ホテルに。会場はポップシンガーのアニー・デフランコが所有するビルにある、小ホール。ここでは、私と田村は7、8年前、ラリー・オックスのバンドで演奏したことがある。コンサート前に近所のメキシコレストランで食事をする。
    主催者のスティーブは本人もサックス奏者で、コンサートを自らとても楽しんでくれた。今日も熱心な聴衆に来てもらって、存分に納得のいく演奏が出来た。終演後は控え室でスティーブが持ってきてくれたビールをいただく。北米の最初のコンサートが無事に終了。
     
    11/17
    スティーブの迎えでホテルから空港まで。今日はニューヨークでの演奏。バッファローからJFK空港に飛び、トッドは自宅に、田村、井谷、私は地下鉄でマンハッタンのホテルに向かう。今回のニューヨークの宿はマンハッタンのユニオンスクエア〜近くにある安宿。いつも安宿だけど、今回はさらに凄い。リノベート中で、きっと改装後は、極端に高いホテルになるんだろう。ニューヨークのホテル料金やアパートの賃貸料の高さは、とんでもない。誰がこんなところに住めるんだろうと思うくらい高いが、それでも住んでいる人がいっぱいいるんだから、お金持ちがいっぱい集まってきているっていうことだろう。ホテルチェックイン後、用意をして今夜のブルックリンの会場に向かう。地下鉄Fラインで乗り換えなしで行ける。ブルックリンの自宅から来たトッドと待ち合わせて、近所で夕食。私はシーザーサラダをいただく。アメリカはサラダが極端に美味しい。しっかりと水切りした新鮮な生野菜にしっかりとこだわりのドレッシングを絡めてある。
    今夜の会場は友人知人が多いニューヨークということもあり、古い友人も含めたくさんの人にいらしていただいた。なんと、ステージより客席の方がミュージシャンが多くて、さすがニューヨーク。ステージ上もいつもとはちょっと違う雰囲気だ。
    北米ではオフは明日18日だけなので、昼間打ち上げをやろうと約束して、トッドは自宅に、田村、井谷、私はマンハッタンのホテルに帰る。
     
    11/18
    お昼11時半に大好きな中華料理屋で打ち上げ。トッドの奥さんのみなこさんも来てくれて、会食。昼間なので、誰も飲まずにひたすら食べました。
    夜は、トッドはビジョンジャズフェスティバルの仕事をしているので、そのオーガニゼーションのパーティーの仕込み、井谷もそのパーティーに出かける。私と田村はニューヨークの旧友と会食。イーストビレッジのお寿司屋さんに出かける。久々に美味しいお寿司と日本酒をいただいて、大満足でホテルまで歩いて帰る。
     
    11/19
    今日は、私だけオフ。メンバー3人はマンハッタンのコアなCDストア、ダウンタウンミュージックギャラリーでインストアライブ。ホテルをチェックアウトし、荷物を預けてから田村、井谷、藤井でランチ。夕方まで、どうしようかと話し、お土産をミッドタウンのデパート、メーシーズまで買いに行こうということになる。雨が降り始める中、歩いてメーシーズまで。買い物が済んで、外に出たら、デパートの前にポリスが3人、機関銃の引き金に指を置いて立っている。数日前のパリでのテロを受けての警戒だとは思うが、なんとも嫌な感じ。2年ほど前にモスクワに行った時、ショッピングモールに警官が銃を持っていてとても嫌な気分になったことを思い出す。
    ホテルまで荷物を取りに歩いて行くが、降りがどんどんと激しくなってきている。途中、雨宿りがてらコーヒーを飲みにカフェで一休み。ホテルで荷物をピックアップしてからタクシーでチャイナタウンにあるダウンタウンミュージックギャラリーに向かう。トッドは、ブルックリンから地下鉄でベースを持って大雨の中、やってくる。田村、トッド、井谷トリオの演奏はものすごく楽しくて、Tobiraでの演奏とはまったく違う音楽を、存分に楽しませてもらう。アンサンブルはコンビネーションだ。田村、トッド、井谷のそれぞれ違う個性が上手く作用しているようだ。終演後は田村、井谷と私で近所のカフェで待っている間にトッドは地下鉄でマンハッタンの知人宅にベースを預かってもらいに行き、カフェに戻ってくる。みんなでそこで夕食。これまた美味しい店で、私はエビのボドカピンクソースのエンジェルヘアパスタ。大雨の中を大荷物を抱え、タクシーを拾いペンステーションに移動。ペンステーションからニュージャージートランジットでニューアーク空港に行き、そこからエアトレインでP4駅に、さらにそこからホテルのシャトルバスで、エアポートホテルに向かう。今夜の宿は、明日からニューアーク空港近くのレンタカーを借りての移動になるので、全員でエアポートホテルをとった。空港ホテルでは一番安価なホテルをとったが、昨日までのマンハッタンのホテルに比べると、高級ホテルに思える。そう思えるのが、ありがたいということかもしれない。
     
    11/20
    ホテルを10時のシャトルバスで出て、エアトレインを乗り換えてレンタカー事務所に向かう。今日、明日、明後日の移動はレンタカー。ドライバーはトッド、田村、井谷の3人を登録。私は免許はあるが、もうずっとペーパードライバー。だいたい運転は嫌いなので、最初からやりませんと宣言してある。車はクライスラーのスタンダードサイズ。カリフォルニア出身のトッドは実は運転好きだそうで、こういう人がいると大助かりだ。ニューアークから1時間半で今夜の公演場所、コネチカット州ニューヘヴンに着く。まずは、私の大好物のアサリのピザを食べにフランク・ぺぺというピザ屋さんに直行。このバンドでは昨年もこのニューヘヴンのクラブ、ファイアーハウス12で演奏したが、その時もここで食べました。前回は4人でミディアムサイズ3枚で多すぎたからというので、ラージ1枚とミディアム1枚を注文。なんとか全部平らげたが、全員満腹で会場でサウンドチェック。
    ファイアーハウス12はレーベルも保有するクラブで、会場は実はレコーディングスタジオ。素晴らしいコンディションのスタインウエイのフルコンがある。名前で分かるように、もともとは消防署のレンガ造りの大きな建物をリノベートして、地下がバー、1階は会場、2階はロフトでアーティストが滞在できるようになっている。どこもかしこも全く妥協せずにリノベートしたというセンスで、一生のうちに一回くらいはこんなところに住んでみたいものだと思う。
    サウンドチェック後、2階でしばらく休憩。そのあと、本番前に食事と思ったが、まだピザでみんな満腹。かといって、演奏後は美味しいレストランはほとんど閉店というので、近所の「味噌」というお寿司屋さんでテイクアウトしようということになる。「味噌」は昨年も行った店で、ここのアメリカン寿司はとても美味しい。
    アメリカ有数の名門大学、エール大学の街だが、昨年演奏した時には学生は一人も来てくれなかった。今年は、学生らしき人も来てくれて、会場は満席。ツアーは大抵そうだが、今回も日数を重ねるほど、演奏が自由でタイトになってきていて、充実してきている。2セット、気持ちよく演奏して、楽屋で階下のバーから持ってきたビールと寿司のテイクアウトで乾杯。今回のツアーは、明日のニューヨーク州トロイを残すのみとなった。
     
    11/21
    トロイまで2時間くらいのはずだが、念のために早めに午前中に出発する。携帯のGPSを頼りに、今夜の会場に着く。トッド以外は初めての街。雰囲気はちょっと荒んだ感じ。会場の界隈は特に寒々した感じだ。主催はこの会場を運営する、インデペンデントのフィルムメーカー。インデペンダントだからこそできるドキュメンタリーフィルムとか作成していて、元教会の建物には、数々の最新の映像機器が並び、後進の指導も行っている。今夜のコンサートは6台のカメラを回すとか、驚くような映像を作るからと、張り切っている。会場でステージのセッティングとサウンドチェックを行う。以前はこの会場にはピアノがなかったらしいが、なんと寄付してくれる人がいて、今ではどんとグランドピアノが置いてある。
    サウンドチェック後は車で今夜の宿となる家に向かう。この家もこの団体がアーティストステイのために所有していて、ハドソン川を前に臨み、夕日が見事と聞いていたが、残念ながら曇ってしまった。
    運営もインデペンデントで、夕飯は会場の地下にあるキッチンで手間暇かけた料理を大きなテーブルでみんなでいただく。どれも外食ではありえない、優しい味で、ツアー3週間の疲れがとれるようだ。
    演奏はステージの上までカメラがいるという普段では考えられない環境で、正直最初は落ち着かなかった。カメラが近くに来るとやっぱりどうしても気になる。それでも2曲目くらいから、だいぶ慣れてきて、このツアー最後の公演、思い切り演奏させてもらった。演奏に関しては言葉でなかなか書けないので、食事のことばかり書いてきてしまったが、もちろん演奏できるからこそ、大変な準備もきつい旅程も乗り切れてきた。演奏することで、共演者と聴衆と深いところで共感できるから、やめられずにやり続けている。
    演奏後は、車でスーパーに寄って、ビールとつまみを買い込み、宿の家で打ち上げ。みんな、本当にお疲れ様でした。いつもより楽な旅程とはいえ、日本から出発して南米までの長いフライトや、大雨の中、ベースを持って地下鉄駅から長いこと歩いての会場への徒歩移動。どうもありがとうございました。
     
    11/22
    車でニューアーク空港に向かう。田村と私は6時過ぎのフライトでベルリンに、井谷は翌日の日本へのフライトのためにニューアークのエアポートホテルでもう一泊、トッドはニューアークから電車でブルックリンの自宅に。トロイから2時間ちょっと、今日はトッドだけではなく井谷も運転。しかもアメリカ人のトッドに言わせてもややこしいニュージャージーの道を迷いながら、空港のレンタカーオフィスに、車を返却してから、エアートレインでターミナルビルに向かい、高いまずいの空港レストランでみんなでランチ。
    来年はどこに行こう、なんていう話をしながら、誰も病気にもならず、怪我もせずに無事にツアーが終了したことに感謝。その上、音楽的にも大満足で幸せいっぱい。
    お疲れ様でした!
     
    追記1、井谷の北京経由羽田行きの翌日のフライト、ニューヨークから北京行きが1時間遅れた上、北京から羽田が欠航。北京で一泊というオチがついちゃいました。空の旅は怖いです。
     
    追記2、ブエノスアイレスジャズフェスティバルの演奏会場に、キンケラ・マーチン美術館のディレクターがわざわざ届けてくれた、美しい絵画のコピー。どうして、こんなプレゼントが、と不思議に思っていたが、北米ツアー中に南米のマネージャーのシルヴィーナからメールが来て、謎が解けた。私が新聞のインタビューで美術館の素晴らしい絵画のことを語り、その記事を読んで、ディレクター自ら会場にいらしていただいたという事だった。
    http://www.lanacion.com.ar/1844229-una-pianista-entre-bill-evans-y-el-heavy-metal
     
     
     
     
     
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