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2016北米ツアー
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    北米ツアー2016
    by 田村夏樹

     
    2016年5月、13日の金曜日仏滅に羽田を出発してトロント経由でニューヨークへ。よりによって13日の金曜日に出発とは。こちとらキリスト教徒ではないが、気分の良いものではない。そのせいかどうかトロントで乗り換える時、アメリカ入国手続きをやるのだが、藤井が引っかかってしまい別室に行かされる。以前ベルリンの空港でパスポートも入ったカバンを盗まれて以来、何故かアメリカ入国の時だけイミグレーションで、やたら色々訊かれたり時間がかかったり、本当に面倒臭い。他の国では何処も全く引っかからないのが不思議だ。アメリカのシステムがそれだけ優秀ということなのか?あるいはパスポートを盗まれた記録があるが、この人物は問題ないということが何度も入国しているのに更新されないダメなシステムなのか?
    別室で待たされはしたが、特別何を訊かれる訳でもなく名前を呼ばれて「はい、行っていいよ」頭にきた藤井が「一体何が問題なんだ?」と質問するとその警官は「別にパスポートの盗難とは関係ないよ。ただ精査しただけだ」と答えた。
    それってもっと面倒じゃないですか、何か精査されるリストに載ってるってこと?
    日本からの飛行機が予定より30分早く到着して、時間は少し余裕があったから良かったが、これがタイトな乗り継ぎだったら焦りまくるところだ。
    でもまあ一応無事にニューヨークに到着。
    寒い!!これは寒い!!
    いやあセーター持ってきて良かったあ。荷物が結構重いので地下鉄の階段を避ける為、タクシーでブルックリンのホテルへ向かう。この時期マンハッタンのホテルは信じられない程高くて、とてもとても泊まれません。
    ブルックリンの4thアヴェニュー25丁目なんて一昔前は怖くて(特に夜は)歩けないようなエリアだった。今でもそれ程いい雰囲気になった訳ではないが、夜でもヤバイ感じは全く無くなった。しかもホテルのすぐ近くに美味しいペルーレストランがあった。何を食べても美味しくて連日通ってしまった。そのすぐ手前にも美味しいケバブ屋があって大助かり。反対側にはスーパーも在るし、地下鉄R駅の目の前だし、アメリカの安ホテルの不味い朝食と違って、ベーグルやデニッシュなど割と美味しいパンなどもあって、なかなか良いホテルだった。
    14日はいきなりオフ日という豪華な予定。昼間マンハッタンの楽器屋と銀行で用事を済ませ、どこかでお茶休憩しようかと歩いていたら、次の角で5人編成でストリート演奏をやっているバンドが居た。へえっと思って近づいて行くと、ゲゲッ、アルトサックスを吹いているのは何と小黒さんじゃないですか!
    その昔(40年前)コンソレーションやニューハードというバンドで一緒だった小黒さんとバッタリ。小黒さんとは以前ニューヨークで度々会って食事したり、ライブに来てくれたりしているが、ここ数年会っていなかったので、バッタリ出会うって嬉しい。演奏後コーヒーを飲みながら、いろんな話をして過ごした。その時話題に上がっていたニューハードのリーダー、宮間利之さんがつい先日亡くなった。
     
    1日置いた15日にブルックリンに在るなじみのスタジオ「システムズ2」でデュオとピアノソロのレコーディング。このスタジオは部屋も音もピアノも素晴らしいが、またその仕事ぶりが凄い。時間通りに行くと全ての準備がビシっと用意されていて、全くロスが無い。スタジオに着いて2階に用意されているコーヒーを飲んだら直ぐにスタートだ。午後から始めたが、5時前には終了。
    エンジニアのマックスが直ぐだからと車でホテルまで送ってくれた。ブルックリンのホテルで良かった。
    夕食はやっぱりペルーレストラン。藤井はペルー料理の定番グリーンソースのスパゲッティ、僕は海老料理。どちらもすごく美味しかった。その上安くて幸せ。
    昨日はその店で藤井がヒラメ、僕がアンガスビーフのステーキを食べたがどちらも凄く美味しかった。
     
    16日は午後1時に藤井が電話インタビューを受け、夕方マンハッタンへ。クイーンズに長年住んでる友人とマンハッタンの職場の近くで食事。キューバン・チャイニーズ料理という珍しいレストランだが、とても流行っていてお客さんがいっぱい。「CALLE DAO」という店だが珍しくアペタイザーがイマイチでメインが美味しいという店だった。焼きそば、ビーフステーキ、ポークとキヌワ(キノワ?)の煮込みを3人でシェアー。どれも美味しくてなるほど流行るわけだと思った。
     
    17日は朝から近くのコインランドリーで洗濯。ツアー中の大事な仕事です。
    地下鉄で2駅マンハッタンよりにある「I Beam」へ。ニューヨーク・オーケストラの仕事で夕方5時から8時までリハーサル、8時半からコンサートの予定だ。久しぶりの面々が集まってくる。皆元気そうだ。しかし今回のレコーディングは今までと違って、ドラムのアーロン・アレキサンダーが足を怪我して急遽チェス・スミスに変わり、トランペットのスティーブン・バーンスティンとアルトのブリガン・クラウスがヨーロッパ・ツアー中のため参加できない。今まで奇跡的に不動のメンバーでレコーディングしてこれたが、考えたらそちらの方が不思議なくらいだ。15人の売れっ子ミュージシャンが毎回揃うなんて。
    今回はギターのネルス・クラインにも参加してもらった。
    リハーサルも順調にサクサクと進み、2時間ほどで終了。心配していた夕食も食べる時間ができて良かった。近くのホールフーズというオーガニックスーパーでキノコのスープを食べる。これも美味しい。メンバーの多くが近くのバーで飲んでいるが、こちらの連中は滅多に酔っ払わない。顔も赤くならないし、基本的にアルコールに強いので安心。
    8時半から本番だが、お客さんが入りきれなくて、関係者や聴きに来たミュージシャンは外に居たそうだ。フェローン・アクラフやジム・ブラックもその中に居た。ありがたいことだ。
    演奏は勿論素晴らしかった。みなさん流石です。この晩の演奏はここでレビューしてもらえた。
    https://newyorkmusicdaily.wordpress.com/2016/05/18/satoko/
     
    18日は朝10時からレコーディング。また「システムズ2」に向かう。少し前に到着したが、全てビシッと用意してある。それぞれのサウンドチェックが終わり、1テイク目をレコーディング開始。素晴らしい内容でエンディングへ。
    みんな満足げだ。最初は2テイク録音する予定だったが、もうこれでいいんじゃないかということになり、1テイクだけでレコーディング終了。またまた名盤誕生。
    スタジオを後にして地下鉄でマンハッタンへ。夜はストーンでエレクトロニクスのイクエ・モリさんがキューレートする週間に出演。1セット目はイクエさんと藤井郷子とネッド・ローゼンバーグが演奏する予定だったが、ネッドが都合で急遽できなくなり、他の日に出演予定のデンマークのサックス奏者ロッテ・アンカーが急遽参加。
    2セット目はイクエさん、藤井郷子、僕、ジム・ブラックのカルテット。
    ジムとはあちこちのフェスティバルなどで、よく顔を合わせるのだが、一緒に演奏するのは久しぶりだ。なんと長年ベジタリアンだったジムが今や朝から寿司を食べたり、最近ではステーキも食べるそうだ。びっくり!
    この日も楽しく演奏させていただきました。イクエさん、ありがとう。
    やはりブルックリンに住んでるジムとタクシーをシェアーしてホテルに戻る。
     
    19日は移動日。ホテルを朝7時に出てカーサービスでラガーディア空港へ向かう。そのカーサービスの運転手がまあウルサイのなんの。ほとんど英語が通じないのだが、お構いなしに片言英語で「こっちの道は混んでる、飛行機に間に合わないといけないから高速を避けていくから。あんたらのために。」「あんたら中国人か中国放送入るぞ。」「いや、僕たちは日本人ですよ。」と言っても、こっちの話などお構いなし。空港に着くまでずっと中国語のラジオを聞かされた。
    ヒューストンで乗り継ぎ、夕方5時過ぎにサンフランシスコに到着。BARTという電車でベイエリアに向かう。ダウンタウン・バークレー駅で下車。歩ける距離だが、荷物が結構あるのとキャリーバッグの車輪が具合悪く、うまく転がらないので駅前からタクシーに乗った。場所を言うと、「ええっ?そこじゃあ歩いてもすぐだよ。タクシーなんか必要ないよ」と嫌そうにしながら運転。「結構待ってこんな客かよ」というのが見え見え。ホテルに着き、こちらもちょっと悪いなと思ったからチップを少しはずんだ。運ちゃんコロッと態度が変わって名刺を出して、「タクシー呼びたいときは俺に電話してくれ。すぐ来るから」
    調子のいいこと。
    ベルリンのタクシーは本当に質が高い。おしゃべりではなく、感じがよく、安心して乗っていられる。
    夕食はホテルから2軒隣のヌーベルクイジーン風のしゃれた店に行った。結構賑わっていて、何となくいけそうだった。藤井はスペアリブを、僕はチキンを食べたが、ジューシーで凄く美味しいチキンだった。食後のエスプレッソも美味しくて満足。
     
    20日は夜共演するパーカッショニストのジーノ・ロベアーとランチを食べることになっている。しかしツアー途中から喉が痛い、鼻水が出ると言い始めた藤井がここに来てちょっとダルくもあるから夜に備えて部屋で寝ていることになった。仕方なく僕とジーノだけでランチに出かけた。旨いカレー屋があるんだけど、そこでいいか?というので、カレーは大好きだと答える。行ってみてびっくり。なんだか何かの倉庫のような建物で、だだっ広いフロアに大勢の客がまるで学校なんかの食堂みたいな感じで食べている。最初は凄く小さな店だったらしいが、大当たりして、どんどん店を移って大きくしていき、遂に倉庫か体育館みたいなスペースになってしまったそうだ。
    なるほどこんな雑多な感じなのに味はたいしたものだった。
    帰り道、コーヒーはどうだ?というので「いいねえ」と言ってカフェに寄る。そこのエスプレッソも凄く美味しかった。いやあアメリカのコーヒーも美味しくなったもんだ。昔は茶色いお湯のようなコーヒーがほとんどだったが。しかし僕はあのサラッとしたアメリカンダイナーのコーヒーも結構好きなんだけど。
    夜はバークレーにあるBerkeley Art Centerでコンサートだ。
    具合がいまいちの藤井がサックスのラリーに電話してホテルまで迎えに来てもらうことにした。
    ガランとした感じの会場だが、バークレーの街中で結構良いロケーションに在る。
    1セット目がラリー・オックスsax、スコット・ウオルトンbass、ジョーダン・グレンdrums、のトリオ。2セット目が藤井郷子piano、田村夏樹trumpet、ジーノ・ロベアーdrumsのトリオ。3セット目は全員でやった。ジーノとのトリオの演奏、素晴らしい出来だったみたい。1セット目のミュージシャンや聴きに来てくれていたミュージシャンの良かったという言い方や表情でもそれが確認できる。
    アメリカに行った当初は、アメリカ人のやたら褒めまくるやり方に慣れなかった。まあ口先ばっかりで本当はそう思ってないんだろうって感じられた。でもそのうちにこれは一つの文化であって、あながち悪くもないかと思うようになった。自分のやってる事にあまり自信が持てず不安を感じてる時など、褒められまくると「そうかなあ?こんなんでも大丈夫か、よしよし」という気になってきて、人と違うやり方などでも思い切って踏み込める。日本社会で浮いてたり沈んでたりする人もアメリカだとしっくりと馴染んで暮らせるかも。
    聴きに来てくれていた友人の本田素子さんに車でホテルまで送ってもらう。彼女はピアニストで23日に演奏するロサンゼルスの仕事をオーガナイズしているロッコの奥さんでもある。
    昼間おとなしくしていたお陰か、藤井がだいぶ楽になってきたようだ。部屋に荷物を置いて、真夜中の夕食に出かける。ホテルの斜め向かいにあるアメリカンダイナーがまだ営業している。藤井はホットドッグとオニオンリングを僕はハンバーガーを食べた。しかしここは美味しくないアメリカンダイナーだった。まあハンバーガーはあまり当たり外れがないので、そこそこだったが。
     
    21日は藤井のピアノソロ。バークレーでも山手の高級住宅街にある有名なMaybeck Studioでの仕事。
    行きはきつい上り坂なのでタクシーで行くことにした。午後1時に到着すると感じの良いオーナーのジャックさんが出迎えてくれた。後で聞いた話だが、何年も待ってやっと念願のこの家を手に入れたそうだ。ご存知の方も居ると思うが本当に素晴らしいホールだ。キャパは4〜50人と大きくはないが、アメリカ杉(セコイア)で作られた、美しくて柔らかな響きが素晴らしい。藤井も気持ち良さげに演奏している。お陰様でこのホールの常連さんたちで満席状態だった。演奏終了後、ロバ・サキソフォン・カルテットのスティーブ・アダムスと久しぶりの対面で話がはずむ。折りたたみ椅子を片すのを手伝って、ホールを後にする。帰りはずっと下り坂だし、藤井の体調も随分良くなったのでホテルまで歩いて帰った。
     
    22日今日も移動日。朝9時にホテルをチェックアウトして、タクシーでラリーの家に向かう。6、7分で到着。ラリーが借りてきた車にドラムのウラジミール・タラソフも同乗しロサンゼルスに向かう。朝10時に出発し、途中食事休憩くらいで、6時間かけてLAに到着した。ラリー達が泊まるダウンタウンのホテル前で別れ、タクシーで自分たちのホテルへ。ダウンタウンからは少し離れたところ(この辺りはもうほとんど公用語はスペイン語状態だ)にある安ホテル、スーパ−8だ。チェックインして部屋に荷物を置き、夕食を兼ねBlue Whaleのあるリトル東京にバスと徒歩で行く。
    Blue Whaleに入る前に同じビルの1階下に入ってるレストランに行った。藤井はラーメン、僕はビーフと野菜の炒め物を食べたが結構美味しかった。硬めだけど旨みのある肉だった。
    朝からずっと運転してきたラリーは今夜Blue Whale で演奏。お疲れ様です。車で一緒に来たドラムのウラジミールとサンディエゴに住んでいるベースのマーク・ドレッサーとのトリオだ。マークとは久しぶりに会う。つい先日はニューヨークでジム・ブラックと久々に共演したし、なんだかSatoko Fijii Fourの同窓会みたい。
    帰りは、オーガナイザーのロッコに頼んでウーバーを呼んでもらった。契約しているロッコがスマホを持って通りまで来なくてはいけない。スマホの画面の地図を見せてもらったが、まるでゲームみたいだった。「プリウスが来るそうだ」「あっ、この運転手迷ってる。そっちじゃない右だよ」「ああ一方通行だから回り込んでるんだ」「もう少しもう少し」すると左手からプリウスがやってきた。ロッコにお礼を言って乗り込むと、「水飲みますか?」と聞かれ、「ええっ?いや今水は要りません」と答えたが、後から聞いた話だとネットで乗った感想を報告する項目があって、運転者の評価成績に繋がるからサービスがいいそうだ。ホテルに着いたのでお金を払おうとすると、「いえいえ、料金はもう自動で落とされていただいてます」とのこと。「えっ?じゃあ明日ロッコに返さなくちゃだ」契約者のpaypalで自動で支払われるから、現金の授受はないそうだ。まあ多少チップを渡しても良いそうだが。しかし安い!タクシーの半額から3分の1くらいだ。ウーバーが流行るわけだ。
     
    23日は自分たちがBlue Whaleに出演する日。しかしアメリカの安ホテルの不味い朝食。何とかしてほしい。オレンジジュースも薄めすぎでその上妙な甘みをつけてる。パンもコーヒーも不味い。近くにカフェなど無い所なので仕方なく食べますけど。
    昼食はフロントのお姉さんに聞いて、メキシカンに行くことにした。違う道を入ってきたのかと不安になり、通りがかりの人に尋ねると、「ああこれまっすぐ行ってもあるし、そこの坂下った所にもメキシカンあるわよ」とのことで直進。「なんだか違うなあ、これはメキシカンじゃあないよね」違う道をホテル方面に歩いていくと立派なメキシコ料理屋さんがあった。中に入るとちゃんとしてそう。サルサ、エンチラーダなかなか美味しかった。ちょっと歩いた甲斐があった。
    夕方またバスと徒歩でリトル東京へ。今夜共演するドラムのアレックス・クラインとBlue Whale の近くのレストランでカレーを食べる。アレックスはベジタリアンで、さっき食事してきたからとお茶だけ飲んでいた。アレックスはニューヨークで共演したギターのネルス・クラインの双子の弟さん。大の日本文化好きで、長いこと「茶道」を習っていたそうだ。「お点前頂戴いたします」なんてフレーズを聞いたのは、何年前だろう。
    彼のセッティングなかなか面白くて、フロアタムの代わりにマーチングバンドで使うような大太鼓を持ってきて、その上に小さなシンバルなどいっぱい並べて叩いたりしていた。今夜も楽しく演奏終了。
    楽器をしまったりしてる間にロッコが帰ってしまったので、今日はウーバーどうしようと思ってたら、店のスタッフのツヅキさんが親切に外まで来てくれてウーバーを呼んでくれた。今日はオデッセイだった。もう仕組みが分かったので少しチップを渡す。
     
    24日はLAからベルリンへ。昼頃ホテルを出て路線バスでユニオンステーションにあるロサンゼルス空港行きのバス停まで行く。切符売り場でチケットを買うのだが、現金お断りでクレジットカードしか使えない。世の中クレジットカードが無いと、本当に不便になってきた。
    あとはAir Berlinでデュッセルドルフ経由でベルリンに到着。しかしこのAir Berlin、座席が前の席とやたら近くないですか?限られた空間に詰め込めるだけ詰め込もうという魂胆ですね。トイレの数まで少ない。
    デュッセルドルフでの入国はすごく楽で全く何も訊かれず、スタンプ、ポン。
    ツアー、お疲れさまでした。
     
     
     
     
     
     
     
     
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