12月19日(火)
今朝ももちろん朝4時起床。昨晩が早かったから5時間以上は寝ている。今日の昼過ぎのフライトで帰国だから、朝食で懸命に栄養取らなくちゃというプレッシャーはなく二人ともアーモンドクロワッサン、チョコレートクロワッサンそれぞれ一つだけ。先月11月11日に神戸の自宅出発してからもう1ヶ月以上帰宅していない。その上、今日の帰国後も東京〜名古屋で5連チャンで仕事が入っている。うれしい悲鳴だ。年末押し迫ってから神戸に1週間だけ戻れて、1月は東京と国内ツアーが待っている。体調を崩すと大変なことになるので、かなり気が張っている。
朝9時、早めにチェックアウトしてウーバーでJFK空港に向かう。帰りは羽田までの直行便なので、長時間フライトだけ耐えれば大丈夫。電車で空港まで行けば安いが、荷物振り回されながら階段の上り下り乗り換えの煩雑さを避けるため。この出費は必要経費。10時過ぎに空港到着。3時間前だが、もうチェックインが始まっている。荷物をドロップしてラウンジに。ANAのラウンジなので、飲み物、食事も比較的良い。ラウンジでメールの一仕事してから、ゲートに。搭乗して一番後ろの自分の席に向かうまで、延々と続くビジネスクラス。こんな航空会社は珍しい。エコノミークラスは最後尾の全機体4分の1以下。つまりANAはお高いビジネスクラスを購入するお客さんたちを相手にご商売をされている。このゆったりとした座席の間を延々と歩いて最後尾に来ると、まるで貧民窟に来たみたい。まあ、貧しいのだから仕方ない。搭乗後離陸前に爆睡。これは得意技だが、最近は映画4本見れるほど長時間起きている。今回の映画は、これまた全て実話に基づいたもので、「ブラックベリー」(スマホ第1号)「リチャード・ジュエル」(アトランタオリンピックでテロの爆弾発見者)「サウンド・オブ・メタル」(メタルドラマーが聴覚を失う)「スキャンダル」
(Foxのニュースキャスターが上司のセクハラに声をあげる)どれも、とても面白かった。普段映画をあまりみないので、最近の私にとっては機上はいわば映画館。フライト終盤は流石に疲れてきて爆睡。ANAの食事は行きのユナイテッドに比べたら遥かに美味しくて助かる。
羽田空港には定刻で到着。入国はvisit Japan webに登録しない方がずっと楽だとわかったので、今回は全てアナログ。日本のIT化はとても不思議だ。
帰宅ラッシュで満員の京急と地下鉄乗り継いで帰宅。無事に帰れました。
フィラデルフィアのデュオのコンサート、ニューヘヴンでのレコーディング、ニューヨークでのモリイクエさんウィークでの2回のコンサート、ニューヨークでの夏樹とデュオでのレコーディング。多くの方にお世話になり、改めて本当にありがとうございました。
明後日から国内で5日間続けてのライブがあります。まだまだ気は抜けませんが、年内の国外ツアーはこれで無事終了しました。
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12月17日(日)
今日は、今回のニューヨークでの最後のコンサート。日曜日なので夜ではなく夕方の開演なので、入り時間も2時半と早い。相変わらず早起きの二人は6時の開店待ちを当てこんでデリにいくが、なんと日曜日は朝7時から。ここで待っていても仕方ないからウエスト4th近くまで歩いて空いているカフェを探す。そんなに寒くはないので朝のいい散歩。美味しそうなパン屋さんとセブンイレブンを見つけて、セブンイレブンでヨーグルトとオレンジジュース、パン屋さんでハムチーズクロワッサンを買ってホテルに戻る。ここのホテルの偉大なところはロビーで常にコーヒーとティーバッグ、お湯が提供されているところ。今回の滞在を楽にしてくれた。部屋にも毎日水のペットボトル2本が無料で置かれていて、とても助かった。部屋で朝食後に当然、夏樹はお昼寝。お昼前に起き出して今度はお昼ご飯。歩いて会場に向かう途中にある寿司屋に行こうということになり、ブラブラと15分。どこもレストランは混んでいるこの時期にここは誰も入っていない。どうも世間はコロナが再拡大し始めているようだから、空いているのは大歓迎。だが、食べてみて空いているのがよくわかった。二人ともカリフォルニアロールやドラゴンロール、うなぎアボカドロールとか注文したのだが、鮨飯に酢が効いていない。残念だ。今日のコンサートの後にみんなでつまめるように寿司でも持っていこうと話していたのだが、ここの寿司ではとても残念なので、やめる。
1時半ごろに会場に着く。今日はいくえさんのまさに70歳誕生日、5日間のストーンレジデンシーの最終の締めくくりはニュースクールのいつもの会場の上階にあるもっと広いホール。会場に入っていくとジョン・ゾーンが立ち寄っていた。彼に会うのは何年ぶりだろう。メキシコツアーで体調崩して体重が大幅に減ったとのことだが、ほぼ体調は戻って痩せたせいで若返って見えるくらい。相変わらずの流暢な日本語。会話は全部日本語で全く問題ない。巻上さんも着いて、今日のセカンドセットのリハーサルを聞く。私たちはファーストセットで逆リハなので、こちらのリハーサルの番になるまでのんびり。ピアノのシルヴィーとも久しぶりに会う。
私たちのリハーサルの番になり、入念に打ち合わせをする。パーカッションのさえさんが体調不良で、急遽、ドラムのチェス・スミスが両方のセットで演奏することになり、いくえさん、今回のレジデンシーは本当に大変。終演後に70歳の誕生日祝シャンパンとケーキをネッドが用意ということで、私たちは近所の日本マーケットでみんなでつまめるお煎餅を買ってきた。
会場は大入、満席。私たちのワンセット目の後、客席で2セット目を聴く。素晴らしい。演奏者はもちろんだが、いくえさんの作品とディレクトでしっかりイクエワールド。いやあ、楽しみました。
終演後、客席から大量のカップケーキが運ばれてきて、ろうそく灯してハッピーバースデイ。シャンパンも開けて、歓談。ベルリン在住の旧友アンドレア・パーキンスもクリスマスの里帰りでニューヨークに来ていて、本当に久しぶりの再会。なんと、台湾のピアニスト、シーヤン・リーもアジアン・カルチュラル・カウンシルのフェローシップでニューヨークに6ヶ月滞在中でコンサートに来てくれていた。外は雨が降り始め風も吹き始め嵐の様相。ホテルに戻る前に会場近くの日本マーケットで「赤いきつね」を買って、今夜はホテルの部屋で夕飯をすます。終演後リッチなチョコレートケーキをご相伴に預かったので、これでちょうどいい感じ。
今夜はついにお薬なしでおやすみなさい。
12月18日(月)
昨晩は11時前に寝たのに、シラフのせいか悶々の一夜で、3時にはしっかり目が覚めてしまった。
それにしてもすごい嵐で大雨に強風、気温は16度とかあるのに。雨が小降りになったタイミングでデリに朝ごはんを買いに行く。私はイングリッシュマフィンのサンドウィッチ。これにはベーコン、卵、チーズが挟んであるのだが、卵2個分はあるような量ですごいボリューム。夏樹は好物のアーモンドクロワッサンにポテトのソテーとポークソーセージ。オレンジジュースとヨーグルトも買い込む。雨の中、部屋に戻り朝食。
今日は、銀行やら郵便局やらで用事を済ます予定だった。天気予報によるとこの嵐は午後5時過ぎまで続くらしい。待っていては用事は済ませられないので、朝食後の恒例、夏樹の午前昼寝を待って10時過ぎに雨の中をフードを被って銀行に向かう。地下鉄でも歩いても所要時間はほとんど変わらないので歩くことにする。10分くらい歩いたところで雨がとんでもなく激しくなってくる。傘が買えないかと見渡すと目の前の店にあるじゃないですか。飛び込んで折りたたみの小さい傘、2本で10ドル。お店の人が大きい傘の方がいいわよ、というが、明日帰国するのにそれは持ち帰れないからと辞退。激しい雨の中、傘をさしてさらに歩いて銀行に到着。いくつかの用事を済ますが、やたらに丁寧なお兄ちゃんで手続きに1時間くらいかかる。雨に濡れた服で体が冷えていく。郵便局ともう一軒の銀行はさっさと諦めて、途中で暖かいランチでもと外に出たら暴風雨。傘なんかさせる状態じゃないし、フードもびしょ濡れ。とにかく早くホテルに帰ろうということになりタクシーを探すが、全然走っていない。近所の洋服屋さんに雨宿りがてら飛び込んで、携帯でウーバーで帰れないか調べる。なんと1分で行きますという表示。助かる。ウーバーのドライバーも超親切で、ホテルの真ん前までつけてくれて助かった。それでも二人ともずぶ濡れ。服を着替えてベッドに潜り込むが、冷え性の私はホッカイロを使っても体が温まらない。さっさとシャワーを浴びたほうがいいということになり、熱いシャワーを浴びてようやくホッとする。次はランチの心配。とてもじゃないけど外出できない。ルームサービスもヘビーなものばかりで気が進まない。日本から持参してきている非常食のおにぎりをロビーのホットウォーターで15分。これ、結構美味しいのです。お昼食べたらもちろんお昼寝。夏樹は昼間、本当によく眠れる。それだけ疲れているということなんだろう。眠れるときは眠る。私は携帯で音楽かけてちょっとリラックスできたら少し眠れた。目が覚めたら、明日のフライトのオンラインチェックイン。そしてメール仕事。来年5月のヨーロッパツアーの準備に追われている。
5時になると天気予報通りにいつの間にか青空が。6時前に夕飯のテイクアウト。夏樹が一人で買いに行ってくれる。キムチチャーハンとブルゴキ丼。今回は朝食から夕食までお世話になっている近所のデリに最終日の夕飯までお世話になった。とてもおいしかった。今日はさっさと10時半に就寝。
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12月14日(木)
朝はもちろん4時過ぎ起床。昨晩は12時近かったから4時間くらいしか寝ていないが、睡眠薬での4時間はぐっすりでスッキリしている。これって良いのか悪いのか。夏樹は昨日腹痛で疲れたせいかまだ眠っている。6時近くに起き出して、近所のデリに朝食に。私はヨーグルトとイングリッシュマフィンに卵、チーズ、ソーセージを挟んだずっしりと重たいサンドウィッチ。夏樹はフレンチトースト。テイクアウトしてきて狭い部屋でいただく。アメリカは物価高騰が続いている。円安だから円に換算すると驚愕するが、換算しなくても数年前の値段よりは遥かに高くなっている。
朝食後、夏樹は爆睡。とにかく暇があれば休むのが正解。私はパソコン開いて、メールの確認やらこれからの仕事の準備やら.
10:30頃東京から来ているブンチンさんと佳乃さんより連絡があり、一緒にランチという約束をする。12時頃にチェルシーマーケットで待ち合わせをする。今日は風が弱いのでホテルから歩いて行くことにする。病み上がりの夏樹が心配だが、今日は腹痛もおさまった様子。
チェルシーマーケットは私たちが以前定宿としていた14丁目と9th Avenueのアパートメントホテルのすぐ近くにできた大規模開発の今風マーケット。2001年のアメリカ同時多発テロ時にこのアパートメントホテルに泊まっていた私たちは、そこの窓からワールドトレードセンターの様子を直接見た。その頃は寂しいエリアで怪しいバーや売春婦が立っていて、夜帰る時は結構ドキドキしたものだが、今や超オシャレなエリアでグッチとかのブランドショップやアップルストアがある。再開発で生まれ変わったエリアだ。その頃は毎年2回くらいはこのアパートに泊まっていたので懐かしい。
チェルシーマーケットで行きたいレストランが見つからずにビレッジまで南下して飛び込みでいい感じのレストランに行く。夏樹はハンバーガー、私は地味に好物のマカロニチーズ。1986年バークリー音楽院在学時に入院して扁桃腺の手術をした。日本でいえば、おかゆに当たるのがこのマカロニチーズで、これが手術後食事が取れるようになって最初にいただいた時は、うれしかったしおいしかった。今でも大好きだ。食後は夏樹の体調が心配でタクシーでホテルに戻る。
ホテルでのんびりと過ごしたら、今夜はストーンにいくえさんの2夜目のコンサートに行ける感じまで体力回復してきたので、二人で途中に夕食取るタイミングで地下鉄で出発。ストーン近くにある地中海、中東レストランに飛び込む。私はなぜかノルウェイサーモン(地中海に鮭はいないでしょう!)の炭火焼き、夏樹はラムのキョフテ(ハンバーグ、昼もハンバーガーでしたが….)を注文。店はほとんどその地域の国から来ている方達でいっぱいだから美味しいに違いない!
ピタパンのようなパンとオリーブと出てきた料理、全てとてもおいしかった。
ストーンの今夜は、サックスのロッテ・アンカー、ピアノのクレイグ・テイボーン、ドラムのチェス・スミスにいくえさんというこれまたオールスターバンド。客席にはニューヨークのこの手の音楽には必ずきているお客さんたちに混じり、先日ダウンタウン・ミュージック・ギャラリーでダリウス・ジョーンズと演奏していたカナダのドラム、ニック・フレーザーもきている。巻上さんとか佳乃さんもいて、若い人もちらほらいるのが嬉しいかぎり。演奏はもちろん、息をもつかせない濃い内容。楽しみました。
終演後は近くのバーレストランで数人でまったりしてから、地下鉄でホテルに。メトロカード、気づかない間に使い切っていて、改札通れない私たちにロッテが自分のカードで通してくれた。全く知らなかったが、巻上さんと文子さん情報で自分のクレカやスマホを登録してタッチすれば改札で使えるという話。ありがたい情報でした。明日やります。
ホテルに戻ってからまたまた薬を飲んでぐっすり。
12月15日(金)
朝はやっぱり早く起きる。まあ高齢者だから仕方ないだろう。アメリカについてちょうど1週間、時差ボケが抜ける頃なのか、やたらに眠たい。でも眠れない。6時過ぎに今日は同じエッセンというデリで二人ともアーモンドクロワッサンにハッシュブラウン(ジャガイモ焼いたもの)チーズオムレツ、ポークソーセージ、オレンジジュースとコーヒーで朝食。食べられる時にしっかり食べるのがツアーの鉄則だが、日頃朝は軽くしか食べない習慣なのでこのメニューは結構大変。部屋に戻り、溜まったメールや来年1月のアリスター・スペンスとの日本ツアー、2月末からのThis is It!の日本ツアー、4月のKAZE & モリイクエの日本ツアー、5月のヨーロッパツアーの準備に追われる。それにしてもたくさん仕事入れちゃったもんだ。半年間で自宅に戻れるのは2、3週間になりそうだ。深く反省。でも、誘われたりするとうれしくて受けてしまう。ミュージシャンってそういう人種だと思う。
今日はイクエさんの3夜目。私と夏樹が出演する。共演する予定だったトロンボーンのジム・ステイリーは抜歯とかでキャンセル、ビリー・マーチンは体調不良でキャンセル。結局トリオということになった。
サウンドチェック前にいくえさんに誘っていただいて、巻上さん、あやちゃん、ロッテも一緒に大戸屋に。日本の大戸屋よりずっと美味しい。私も夏樹も鶏の黒酢あんかけ。日本の同じメニューより量も値段も2倍くらい?今日も昼抜きだったけれど、あまり痩せた気配はない。
ストーンまで歩いて向かう。都会は東京もそうだが、とにかく歩く。会場で、夏樹がドラムセットを見つけて、バスドラとフロアタムをセット。やたらにうれしそう。会場は大入盛況で、ほぼオンタイムで存分に楽しみました。最後は客席にいた巻上さんも呼び入れて4人で。良い夜でした。
ほぼ薬中で、今夜も睡眠薬きめました。
12月16日(土)
今日はオフ。移動もなくオフの日もあるという通常のツアーよりはるかに楽な日程だが、とにかく慎重に行動。朝ごはんはいつものエッセンと思って出かけたら土日はお休み。仕方なくお隣のスターバックスでハムチーズクロワッサンを買ってきて部屋でいただく。なかなか美味しいです。昨日くらいから寒さがちょっと緩んで外出も少し楽になってきた。まあ、この時期のニューヨーク、雪が降らないだけありがたい。
今日は昼もしっかり食べようと、googlemapで近隣のベトナムレストランに繰り出す。街中多くの人が出ていて、レストランも待ち状態。10分ほどでテーブルに案内され、私はフォー・ガ(鶏のフォー)夏樹はエビと春巻きのブン(バーミッチェリ、春雨のサラダ)。フォーはあっさりしていて化学調味料の味もしなくて美味しかったが、ブンはイマイチ。食後はまたホテルに戻り昼寝。と予定したが、私は全く眠れない。自律神経のバランスが良くないのかもしれない。
夕食は早めに佳乃さん達と懐かしい中華お粥やさんに話していたが、どうもコロナが蔓延し始めている様子なので、やめて大人しく巻上さん達と朝食したデリに行き、ハンバーガーをテイクアウト。ホテルでいただく。きちんと作っているので、結構美味しい。
食後、ストーンに巻上さん、ネッド・ローゼンバーグとイクエさんのトリオを聴きに行く。どの音が誰から聞こえてくるのかわからない心地よさ。完璧なブレンドのサウンドを楽しみ。帰りは同方向のロッテと一緒に地下鉄で帰る。
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12月12日(火)
朝9時頃にみんなで近くのカフェに繰り出して朝食。そういえば、昨日はランチ食べずに録音していたけど、今日もそんなスケジュールになりそうなので、朝からしっかりいただく。
部屋に戻り荷物まとめてスタジオに。あと3曲録音すれば終了。そのうち1曲はジョーとワダダのデュオだから、私が参加するのは2曲だけ。でも残っているこの2曲が長くて難しい。11時過ぎから録音開始して3時前には無事に終了。これなら、マンハッタンまで急いで帰れば今夜の夏樹のダウンタウン・ミュージック・ギャラリーのコンサートに間に合いそう。ジョーに来るまで送ってもらうよりは、ニューヘヴンの駅からメトロノース鉄道でグランドセントラルに行った方が早そう。ジョーに駅まで送ってもらい電車に飛び乗る。夏樹とメッセンジャーで地下鉄の接続とか確認し合い、私はグランドセントラルから地下鉄6番でブルックリンブリッジ、シティーホールに夏樹はSoHoのホテルから徒歩で会場に向かう。今夜は夏樹のソロのほか、コペンハーゲンから来ているロッテ・アンカーや日本からの琵琶の佳乃さんも加わり特別なセッションとなった。で、演奏終わってから、朝食以来何も食べてないことに気がついて、近所の小さなレストランに飛び込む。私はステーキ、夏樹は日本のトンカツをいただく。結構美味しくて、夏樹なんか完食。食後また会場に戻り、この晩の最後のセット、ダリウス・ジョーンズとニック・フレーザーのセットまでしっかり聞いた。ダリウスもニックもカナダツアーで何回か会ったりしている。
終演後はウーバー呼んで、こちらのホテルまで佳乃さんとぶんちんさんも一緒に。ロビーでお茶なんか飲んだりして、彼らはチェルシーの宿泊しているホテルまで歩くという。いつも山歩きしているのでなんでもないと言って、そこでバイバイ。私は長い1日だった。
12月13日(水)
今日まで同じホテルの別の部屋に泊まっている巻上公一さんご夫妻と近所でデリで朝食。色々と話がつきない。私たちは今日、久しぶりに親しいエンジニア、マイク・マルシアーノに夏樹とのデュオを録音してもらうので、いつまで話してもいられずに部屋に戻る。日本から来ているブンチンと佳乃さんもレコーディングに興味があるということなので、一緒に行くことになる。スタジオはかつてはブルックリンのSystems Twoだったが、今はそこは手放していてアストリアにあるサムライホテル。名前はすごいですが、素晴らしいスタジオ。ピアノは1900年代初めのアンティーク・スタインウェイをこだわりのオーバーホールでため息が出るような音色。その上、部屋の鳴りがいいので演奏がとてつもなく楽。夏樹はブースだが、そこのなりもいいらしくて、二人とも気持ちよく演奏。5曲くらい気分よく録音後、ちょっと水飲んでさらに3曲やったら、夏樹がちょっとタイムという。トイレ休憩がやたらに長い。心配になった途中で声をかけに行ったら、お腹が痛いらしい。ゲーーーー!!彼はコロナ回復して後遺症もなく、さらに数日置いてからこちらに来たので、何も心配していなかったが、もしかしたら前日のトンカツ完食がひびいたのかもしれない。焦らせてもいけないから、ゆっくりと休んでもらって、ピアノソロで一曲録音。でも心配で気もそぞろ。録音は70分くらいあるので、今日は帰って休んだほうが良さそうと思い、マイクにバイバイして、ウーバーでSoHoまで。夏樹は結構疲れている風で心配だ。ホテルに戻り、私もちょっと疲れて二人でうとうととする。今日からストーンでいくえさんのウィークなのでぜひ行きたかったが、夏樹が心配で諦める。とはいえ、今日もランチ抜きなので、近所のうどん屋「RAKU」であっさりうどんをいただく。ここはかつて超おいしい「KURA」という寿司屋をやっていた伝説の寿司屋さんの監修だけあって、日本でもないくらいおいしいうどんが食べられる。今日はラッキーなことにちょうどキャンセルがあって、待たずにテーブルに案内された。夏樹の腹痛もおさまって、うどんも食べられて、まずはほっとして部屋に戻る。
旅先で体調崩すのは何よりも怖い。
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12月11日(月)
今日から私だけ一泊でコネチカット州のニューヘヴンにレコーディングに行く。共演者のベーシスト、ジョー・フォンダのスペシャルプロジェクトで、彼のメンターでもあるトランペットのワダダ・レオ・スミスとイタリアからドラムのティツィアーノ・トノーニとジョーと私の4人のカルテット。ジョーはこの録音のために新曲を書き下ろし、イタリアでレーベルをやっているファブリツィーオのサポートでプロジェクトを実現させた。ワダダは私も2枚アルバムで演奏していただいているが、その説得力のある音の力にいつも圧倒される。朝9時にハーレムよりも北にあるワシントンハイツのジョーのアパートまで地下鉄で行き、そこからジョーの車に同乗して2時間弱のニューヘヴンまで。雨だが、そんなに寒くなくて助かる。
ジョーとは1年ぶり。車中で話が弾む。ニューヘヴンにあるスタジオ、Firehouse 12は夢のような場所だ。AスタジオとBスタジオがあり、Aはかつて消防署だった建物を改造して地下にコンサートもできるスタジオ、2階3階は豪華なホテルのような作りになっていて、そこに宿泊できる。今回の録音はBスタジオ。Aから歩いて数分のところにある巨大なスタジオ。ありとあらゆる楽器が揃っていて、ドラムがそれぞれ全てのサイズ揃っているという驚愕のスタジオ。ワダダがニューヘヴン在住なので、ここのスタジオでの録音となった。イタリアからドラムのティツィアーノとファブリツィーオが昨晩着いていて、まずはお話が弾む。なんてったってイタリアですから。
セッティングしていると、ワダダが登場。14ヶ月前に私の100枚目のアルバムに参加していただいて以来。82歳になってもその艶やかで強い音色は衰えることがない。彼の提案で、セクションごとに録音という方法をとる。ワダダは今やアメリカヨーロッパでは歴史的なミュージシャン、まさにレジェンドだが、日本ではフリージャズの人、くらいにしか認識されていなくてとても残念だ。人間もものすごく暖かくて、一緒にいるだけで幸せになれる気がする。ジョーの曲、彼とのデュオのプロジェクトは全て即興での演奏なので、今回初めて演奏したが、およびもつかないアプローチで、とても勉強になった。数時間録音して、残りの曲は明日にまわす。細切れに録音しているので、いつにも増して全貌が掴みづらいが、プレイバック聞いてみると素晴らしい。このプロジェクトに誘っていただいて、本当にうれしい。
セッション終了後ワダダは自宅に、私たちはAスタジオの上の宿泊できる部屋に。エンジニアでオーナーのニックのセンスが細かいところまで生かされていて、本当に素晴らしい部屋。いつか、こんなところに住めたらいいなぁ。
みんなで夕食に繰り出す。近所にあるインディアン・レストラン。とても辛くて、とてもおいしかった。
部屋に戻り、暖房を強くしてみるが、何せすごい高い天井でなかなか温まらない。持参したホッカイロを湯たんぽ替わりに布団に入れて休みました。
photo by David Appuzo
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12月10日(日)
昨晩は12時過ぎに休んだが、寝る前から目覚ましを朝7:30にセットする夏樹は、寝ることに半端なくやる気。私は5時過ぎに目が覚めて荷物整理したり、今日のバス乗り場の場所確認したり。7:30のアラームで夏樹がようやく起床。本当によく寝る。二人とも高齢者だから、無理は禁物。とにかく健康第一。朝食後に部屋で11時のチェックアウトまで荷物整理、今日の移動の目的地までの確認をする。12:15のバスでニューヨークまでだが、バス停には屋台しかないだろうから、昨日のテイクアウトのおこわを部屋で電子レンジにかけていただく。結構美味しいじゃないですか!11時にチェックアウト、ホテルのロービーで車(ウーバー)の手配。最近はいつも使っているskyberryというルーターとiPhoneにTraveSimというのをデュアルsimで入れて、海外でもネットに繋げられるようにしている。これさえあれば、ウーバーが使える。タクシーが信用できそうもない場所では助かる。呼んだウーバーはテスラだった。初めて乗るテスラ、割と普通で残念でした。事前に安く買ったメガバス乗り場に。ニューヨークまで3時間ちょっと。もちろん爆睡。ニューヨークで下車してから、ホテルまでウーバーを手配。雨の中、摩天楼のせいでGPSがうまくワークしないのか、場所を変えてようやく成功。トヨタカムリでSOHOのホテルに。今回はここで9泊。もはや自宅みたいなもんです。フィラデルフィアのホテルに比べたらずっと狭いしバスタブもないけどマンハッタンのホテルにしてはまあいいんじゃないでしょうか?荷物整理してから夕食に繰り出す。近くにうどん屋さんの「らく」があるじゃないですか?!イーストヴィレッジから始まったこのうどん屋さん、今や人気でここSOHOのほか、トロントにもお店を出したようだ。すっかりうどん気分になる。途中、地下鉄駅によってメトロカードを買ってから「らく」に行ったらすごい行列。45分待ちとか言われて、すぐに諦めその並びの地中海料理屋さんに。私はエビのケバブ、夏樹はラムをいただいた。どちらも美味しくて、完食。帰りに近所のトレーダージョーで朝のパンをゲットしてホテルに戻る。
ホテルで明日からの予定を確認してから、今日もお薬を頼りにおやすみなさい。
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12月9日(土)
昨晩寝たのは12時近かったが、もちろん6時前には目が覚める。それでも薬のおかげでぐっすり眠れて快適だ。6時半過ぎに朝食会場に行くが、7時からだったのでロビーの売店見たりぶらぶら。開店と同時に朝食会場に。今日の午前中は朝9時から11時まで2時間インタービューがある。静かでないといけないからホテルの部屋で3時間と頼まれたのを、2時間にしてもらう。部屋がスイートで広くて良かった。これなら私がインタビュー受けてても夏樹が寝ていられる。9時にロビーに降りていくと、なんとロビーの一角にある部屋に評論家のケンがもうセッティングしていて、急遽部屋ではなくそこでのインタビューとなった。私がおしゃべりなせいもあるが、質問がどれも面白く、そしてケンが私の音楽の理解者なので、結局3時間の長尺インタビューになった。彼は実はお医者さんで、99歳でいまだ現役のマーシャル・アレンの主治医だと聞く。部屋に戻ると夏樹は起きたばかり。Googleマップで見つけた近くの飲茶屋さんに繰り出す。つい、日本の量を想定してのオーダーで食べきれない量がテーブルに並ぶ。豆苗炒めを頼んだら、8人分くらいの豆苗炒めが登場。野菜不足が一気に解消でありがたい。ほとんど食べられなかった、おこわと豆苗をテイクアウト。量が多いからみんなテイクアウトしている。最初からもうちょっと少なくすればいいのにと思うが、ま、2食分3食分と思えば家でも楽かもしれない。
部屋に戻り昼寝。昨晩到着してから夏樹は食べる以外はずっと寝ている。16:30に起き出して演奏に行く用意。初めて演奏する場所だが、ホテルから徒歩15分だし、今の所そんなに冷え込んでいないから運動不足解消もかねて歩いていくことにする。起きているわずかな時間にメールの溜まった返事をやってから、会場に向かう。ここはペンシルバニア大学のすぐ近くで、歩いているのはほぼ学生ばかり。今夜の会場は教会。主催者のアンディーに会い、会場で音を出してみる。天井がとんでもなく高いせいもあり素晴らしい音響だ。1分に三音も出せば余韻だけで音楽が作れそう。場所決めしたら、夕飯に繰り出す。アンディーおすすめの近所の中華。昼も中華だったが、まあいいか。少なめに注文しても食べきれずに無理せずに残す。
会場に戻るとニューイングランド音楽院時代の同窓生二人が来ていた。一人はポール・ブレイの同門。話が尽きない。何せ28年ぶりだ。
今夜は最初のセットはこの教会のパイプオルガンでの即興演奏。Jesse Kudlerのユニークなパイプオルガンのアプローチが新鮮だった。
コロナ罹患後、しっかり準備する間もなかったのに、そこは流石の田村さん。小一時間の完全即興。畳み掛けるように、また十分な間を持って、空間を時間を空気を昇華させていく。あっという間の1時間、心から演奏を楽しめた。
終演後も友人たちと話が盛り上がり、ホテルに戻ったのは11時過ぎ。明日は格安バスのメガバスでニューヨークに移動。解いた荷をまた詰め直し、旅から旅の人生です。
今夜も睡眠導入剤のお世話になりぐっすりと休む
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12月8日(金)
今年は11月12月と怒涛のスケジュール、実は10月はブラジルの予定だったのがドタキャンだった。ブラジル行ってたら、さらにとんでもなく大変だったと思う。今時のヨーロッパの航路と陸路のカオスでヨーロッパの旅はさらに大変になっているし、11月はフランスでスリにあったり、帰国してから盗まれたIDやクレジットカードの再発行、夏樹がコロナ罹患したりでもう何が何だか。とにかく今日無事にアメリカに出発できたのがラッキーという感じだ。
18:25の羽田からのフライトなので、ゆっくりできて助かる。あの成田闘争は一体なんだったんだと思うくらい羽田の国際便が増えて楽になった。ランチは近所のタイレストランでパッタイ。2時過ぎにタクシーで駅に。地下鉄と京急で羽田空港第3ターミナル。昨晩から何回試してもできなかったラインチェックインは午前中にユナイテッド航空に電話して比較的楽そうな席に変えてもらっているから、のんびりとチェックイン。今日はシカゴ経由でフィラデルフィアまで飛ぶ。最近はいつ行っても混んでいるラウンジで、縁起物の蕎麦を食べてゲートに。その間宅急便からのメールで留守中に届く荷物の配達日の調整。ヤマトのコールセンター、混んでいると「後ほどおかけ直しください」と切られてしまう。これは、ひどい。何回も電話してようやくつながり事情を話してアレンジを頼んだのに、コールバックしてきたドライバーには全然話が通じていない。日本はどんどんアメリカみたいになっている。アメリカに住んでいた頃は、日本はなんでもことが楽に進むと思っていたが、最近はどちらも同じよう。
搭乗したら最近には珍しくガラガラ、席が半分以上空いている。おかげでとても楽に過ごせた。ビジネスクラスでツアーできたら、きっとすごく楽なんだろう。エアラインも年々世知辛くなっていル。昔はエコノミーがいっぱいだったりすると頻繁に利用している乗客をビジネスクラスに回してくれたりしたものだが、今はそんなことは絶対起きない。その昔は飛べばどのクラスでもしっかりマイレージがついたのが、今時は同じエコノミーでも安いチケットにはわずかなマイレージしかつかない。オンラインチェックインができる24時間前から、出口席のような有料席も無料になるエアラインもあるが、ユナイテッドは有料のまま。
最近はヨーロッパに行く方が多いからすっかり忘れていたが、アメリカのエアラインは室温設定は寒いし、食事はとてもじゃないが、美味しいとは言えない。そういえば、先月のトルコ航空は美味しかった。飲み物に氷を入れまくるのもアメリカのエアライン。
ヨーロッパまでロシア上空が飛べないせいで時間がかかるようになった分、シカゴまでの11時間は短いように感じた。諦めの11時間。体力温存に頑張る。
シカゴ到着、ここで入国と税関通過後に再度スーツケースを預けて別のターミナルに移動後、フィラデルフィアまでの国内便に乗る。順調にゲート前のラウンジに到着。フィラデルフィアのホテルに着くのは遅いし、ユナイテッドの国内便に食事なんか出るわけないから、ラウンジで軽く食べる。搭乗5分前にゲートに。この便はやっぱり満席でした。爆睡後約2時間でフィラデルフィアに。スーツケースピックアップしてタクシーで主催者が予約してくれたホテルに。大きなダイニングキッチンが別に一部屋あるスイート。久々の素晴らしいホテル。部屋の温度設定も簡単にできるし、バスタブついているし、清潔で広くて、人生を楽にしていれる。ここで2泊なので、荷物整理して明日の仕事の準備もして、しっかり睡眠薬を決めておやすみなさい。
シカゴのエアポートラウンジ働くロボット
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11/23(木)11/24(金)
さあ、いよいよ帰国だ。朝7時に1階の朝食会場に。朝一番で出発する祐子さんとご一緒する。なんと美味しいバゲット食べていたら、奥歯の詰め物が取れる。悪いことはみんなわたしに起きるのです!帰国してもまずはすられた財布に入っていた保険証の再発行をしないと歯医者さんにも行けない。主治医の歯医者さんは神戸の自宅近くだが、神戸に戻れるのは年末という又旅人生。どこかで応急手当てをお願いするしかない。
祐子さんとの話は尽きないが、彼女はストラスブールに帰る電車の時間。私たちは部屋に戻り荷物の再チェック、11時にチェックアウトでホテルに荷物を預けて、近所の市場に出かける。12時にピーターが迎えにきてくれるから、それまで市場フラフラして早めのお昼をラーメン屋さんでいただく。このラーメン屋さんの噂はクリスチャンからきいていた。東京で修行したストラスブール出身のご主人と東京出身の奥さんが3週間前から始めた鶏ガラのラーメン。美味しかったです。煮卵も絶妙な半熟で美味しいし、手作りチャーシューも、柔らかい筍のようなシナチク、もやしも麺もそしてちょっとピリ辛のスープも海外で食べるラーメンとは思えないレベルでした。ただ、ちょっとスープがぬるめ。奥さんの説明によれば、フランス人は熱いのが苦手だから熱くできないと。まあ、私も猫舌なので、食べやすいといえば確かに食べやすい。この辺りの地名が「ガンベッタ」と言うのだが、それにかけて店名は「ガンバッテ」。なんとお話ししたら以前の職業はイベントプランナーで、今でもリールのラジオで音楽番組やっているらしい。すぐにピーターとクリスチャンにメールして、ラーメン報告とKAZEのCD持ってきて渡してね、と伝える。クリスチャンは前日にここのラーメン食べてて、美味しかったけど、十分に熱くなくてそれだけが残念だったと。やっぱりフランス人相手でももう少し熱い方がいいんじゃないでしょうか?
12時のピーターの迎えでリールフランドル駅に。今回ギリギリで間に合うはずのKAZEの新譜のCDがまだ届かないのが残念だったが、来年のツアーを約束してバイバイ。直通のTGVでパリのシャルル・ド・ゴール空港に。まだまだチェックインカウンターは開かないので、ベンチでメール送受信していたら、KAZEの新譜が今届いたと、ピーターから。残念でした。
さて、これから長旅。パリからイスタンブール経由で羽田まで。たまには直行便で飛んでみたいものだ。フライトはどちらも遅れずにそれは助かった。今回はルートが違ったので別々の予約のために夏樹と私は席が遠かったが、まあ寝ているか映画見ているかだからそれでも大丈夫。帰りの飛行機はランボルギーニの映画とプレスリーのマネージャーを主役に置いた映画が面白かった。スーパーカーのランボルギーニはトラクター作っている会社だったとか全く知らなかったし、プレスリーのかっこよさは同時代で体験していないだけに新鮮だった。
今回のツアー、財布紛失で帰国後もID再発行手続きに忙しくなる尻尾までついちゃいました。でも、二人とも元気に演奏にも満足に帰国できて、録音も2つもできてハッピーエンドです!
お世話になった皆さん、心配してくださったみなさんに改めて、どうもありがとうございました!
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11/21(火)
私はもうヨーロッパについてから1週間以上経つから、多分時差ぼけはなおっているはずなのに、睡眠導入剤を使ったせいか、一晩中悪夢にうなされた。これは、もう飲むなということだなぁと。
今日は夜、夏樹がリールのミュージシャン、クロードとデュオライブ。ピーターの自宅でのハウスコンサート。ピーターは2年ほど前に大きな家に引っ越して、リビングでコンサートができるほど。リールからは地下鉄で40分くらいかかるが、まあ郊外のベッドタウンという感じか。17:45に彼が迎えに来るというので、昼間は旧市街まで散歩に行ってみようとこれまた片道2キロほど歩く。旧市街の有名菓子店『メール』でお土産にゴーフルを買い、ホテルに戻る途中でとても清潔で明るい寿司屋さんに入る。1階で注文して2階で食べるシステム。「eat Sushi」という巻物中心のお店、海外寿司屋さんとしては悪くなかった。ブラブラとホテルに戻る。
17:45のピーターの迎えでピーター宅に、道路は帰宅ラッシュで渋滞。ようやく着いて、半年ぶりに奥さんのリンダと再会。今、フランスではご自宅コンサートが増えているそうだ。彼らも引っ越してきて日が浅いので、コンサートに近所の人を招いて親しくなりたいということでの開催。共演者のクロウドさんも到着。夏樹とのデュオはこれが3回目。二人とも元々の楽器はトランペットとトロンボーンだが、実に自由に楽しそうにおもちゃやパーカッションを使う。遊び心満載で、こちらまで楽しくなる。実はこの遊び心って、かなり難しい。やろうと思ってできることじゃない。脱力した表現なんか達人でなければ無理。私には欠如している部分で、ひたすらうらやましい。まずはピーターが作ったボロネーズスパゲッテイーでディナー。仕事じゃない私はワインをいただく。気がつくと、15人を超える人たちが来ていて、ピーターのご両親も共演者のクリスチャンも来てくれた。ワンセットだけのコンサート、こんな音楽初めてというご近所の方たちも、うれしそう楽しそうに聴いていて、いつもの閉ざされた好きな人だけ集まる空間とは全く違う空気が新鮮で気持ちよかった。こんなふうに身近に自然に即興やアヴァンギャルドに触れられる環境づくりはとても大切なことだと思う。ラジオとテレビから流れてくる音楽だけしか知らないよりは絶対豊かな人生になると思う。もちろん、好き嫌いはあるとは思うが。終演後、談笑してから、クリスチャンと一緒に地下鉄でホテルに戻る。彼の家はホテルのすぐ近くだから、帰り道は一緒。半年ぶりだけど、先週会ったみたいな気分で話がはずむ。彼は何回もお財布を無くしていて、私の今回のスリの話にやたらに共感してくれた。でも、リヨンでスリは珍しいねぇ。って。パリやリールだったらよくあるけど。実は、今回のスリでの財布紛失に気がついた時、一番にクリスチャンのことを思い出した。「僕は、だってみんなのことを信用してるんだよね」
今夜はお薬なし、シラフで就寝。
11/22(水)
何回も目が覚めて寝たのかどうかわからない目覚め。お薬卒業時はこんな感じです。今日は大島祐子さんがストラスブールからリールにきて、KAZEのゲストとして長唄+パーカッションでの即興。夜の公演だけでなく、昼は3時から地元の高校生対象のワークショップもある。
昼前ごろに近所にランチと出かけたところに、祐子さんからメッセージが届く。12時半くらいに着くからお昼を一緒にということで、一旦ホテルに戻って待つことにする。駅にはクリスチャンが6歳になる息子と迎えに行っている。祐子さん到着後、3人で近所のベトナムレストランでランチ。私はフォー、夏樹と祐子さんはブン(春雨ヌードルの具沢山サラダ)。どれも美味しかった。ホテルに戻り、すぐにクリスチャンの迎えで会場のマルテリーに。ピーターがもうステージセッティングしてくれていて、程なく30人ほど高校生たちも先生の引率で到着。まずは30分ほど即興で演奏。祐子さんは古典の「勧進帳」、こちらはホゲホゲ即興。なぜか合う。演奏後、質疑応答。フランス語だが、まあ見当はつく。祐子さんが隣に来て訳してくれる。英語で話しても大丈夫ですと先生が言うので英語で話していたが、やはり学生さん、フランス語の方が楽そう。音楽学校の学生で、技術的なことも含めて熱心な質問が続く。どうも先生は基礎ができて初めて、こういう自由な表現に到達するのです、と言うところに帰着したいみたい。たまたま私たちがクラシックのバックグラウンドがあったから、先生も安心のご様子。終了後に話しかけてきた男生徒、日本語べらべらのリール育ち。ご両親は日本人で、本人は指揮者を目指しているとのこと。祐子さんが歌った「勧進帳」の話もよく知っていて、日本の歴史も勉強したとか。私よりずっと詳しい。
ワークショップ後、夜のコンサートまで時間があるのでホテルに戻る。暖かいホテルで助かる。会場のマルテリーは元々ビールの醸造所だったところで、窓もなくしんしんと冷え込んでくる。夜に備えてホッカイロ貼り付けて会場に。わずか徒歩10分なのに、毎回クリスチャンが車で送迎してくれてとても楽。会場2階のダイニングルームで食事。手作りのビーフの煮込み、マッシュドポテト、カボチャのポタージュ、デザートのパステリーまで全て美味しかった。食後は私たちが最初のセット、2セット目はここミュージックスのミュージシャンでもあるギタリスト二人の演奏。ベルギーからいつも駆けつけてくれるファンの方がお二人いて、いつものKAZEとは違う長唄とのコラボ、みんなとても楽しんでくれた。そして演奏者もみんなびっくりの出来!多くのお客さんに再演のリクエストまでいただいた。
終演後はマルテリーでビール。ここリールはフランスとはいえ、ベルギービール本場でもある。軽めに白ビールをいただく。明日のパリの空港までの電車の荷物券を別に購入しなくてはならないのを、ピーターにアレンジしてもらったり、何から何までお世話になり、クリスチャンの車でホテルまで送ってもらう。今夜もお薬なしです。
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11/19(日)
今日はパリでドラムのラモン・ロペスと3人で録音。このトリオはコロナ前にデビューアルバムMantleを発表している。モンパルナスのホテルからマラコフのスタジオまで3キロ弱。天気もいいし運動不足解消に歩いちゃおうということになり、早めにホテルを出る。日曜日なので、店は閉まっているが、あちこちに屋外マーケットが開いている。蚤の市を通り過ぎると、これは絶対盗品でしょうというのを歩道に布を広げて売っている。どこも賑わって多くの人が出ている。スリには神経質になっているのでカバンを抱えて足早に通過。マラコフにあるスタジオは素晴らしいコンディションのFazioliピアノと大きな部屋に大きめのブースがさらにふた部屋。ドラムとトランペットはそれぞれのブース、ピアノはメインルーム。Fazioliはあまり好きなピアノではないが、ここのは素晴らしいコンディションで音もよく鳴る。エンジニアとアシスタントが気持ちよく動いてくれて、11時過ぎから2時間ほどで、予定のほぼ半分の録音終了。午後1時に休憩がてらランチに出かける、マラコフのマーケットで賑わう道にすごい人気のレストランを見つけて3人で入る。ラモンはスペイン人だが、もうフランスに30年以上在住なのでフランス語が堪能。メニューの説明をしてくれる。テーブルがいっぱいで5分ほど待たされた。案内された店の奥のテーブルに向かう途中、多くの人がムール貝を食べている。ムール貝が旬のようだ。私はムール貝、ムール貝が苦手な夏樹はチキンのグリーンカレーを注文。店が混んでいるので、なかなか料理が出てこない。ようやく運ばれてきた料理はどちらも絶品だった。蒸し器いっぱいのムール貝、実はそんなに多くなくて全部いただいても腹八分目。幸せにスタジオに戻り、順調にあと2時間ほど録音。ラモンはノルマンジーの自宅に車で自分のドラムセットを積んで2時間半かけて帰る。私たちは、またまた歩いてホテルに。盗品地べた屋さん、蚤の市を通り、無事にホテルに着く。途中、水だけ買っていく。金額を英語で言えずに電卓に表示して説明。大都市パリですらこんな感じ。やっぱりフランス人は英語が苦手の人が多いようだ。今夜はホテルの前のタイレストランでパッタイとレッドカレー。まあまあでした。ホテルに戻りお薬飲んでおやすみなさい。
11/20(月)
今日はパリから電車でリールに移動。仕事は移動だけだから超気楽。11時頃にウーバーでパリの北駅に向かう。北駅周辺はあまり雰囲気良くないのはよく知っているので、まずはさっさと駅前のレストランに。ランチをここでいただく。夏樹はバーガー、私は大好物の鴨のコンフィ。これまた美味しかった!
道を渡って駅に行き、例によってモニター表示を待ち乗車。TGV(フランスの新幹線)、最近はホームの端に改札口を作っていて、そこでチケットをかざしていくのだが、モニターのトラック番号表示後に多くの人が荷物持っていくため改札口は大変なカオス。2等車の安い席はその改札口から一番遠い車両。こんなに電車が長いの?と思いつつまた運動不足解消。ようやく乗車する。2階席なので、重たいスーツケースを持って階段を登る。どうしてこんなに不便な仕組みなんだろう?小一時間でリールフランドル駅に到着。駅にはリールのミュージシャンアソシエーション、ミュージックスの事務をやっているアナイスが迎えにきてくれている。この団体のホスピタリティーが素晴らしい。KAZEというバンドで共演しているドラムのピーターがこの団体のディレクターをもう20年くらいやっている。彼の手腕なんだと思う。年々助成金が厳しく状況は悪くなる一方らしいが、一度も嫌な思いをしたことはない。まあ、ミュージシャン30人が参加して運営しているのだからそう簡単にいくわけはないが、この団体の強みは自らの会場を運営しているところにもあると思う。
この街には一体何回来ただろうか?30回近く来ているのでは?ホテルもいつも同じところで、なんかうちに帰ったような気分。チェックインしてくつろぐ。今日はあとの仕事は夕食だけ。ホテルの前にある美味しいフレンチに出かけたら、なんと3ヶ月前から食事はなくなりドリンクとつまみだけになったらしい。歩いてレストランが多くあるところに行って、今夜はインド料理にする。ラムのチリカレーとナスを潰したカレー。どちらも美味しかった。このインドレストランの近くに日本食レストランも数軒ある。「とよとみ」という名前の寿司屋は驚かないが、「しゅりけん」という寿司屋。よくこんな名前をつけたもんだと毎回驚く。
ホテルに戻り、お薬飲んで就寝。
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11/17(金)
朝ごはんをホテルでいただき、昼は近所の市場に繰り出す。3人であれでもないこれでもないと市場を徘徊。魚が素晴らしい。魚好きの私としては引っ越してきたいくらい。私はタコのマリネと小さなキッシュを買い、ホテルのロビーでみんなでワイワイといただく。どれも美味しくて幸せ。いつもミュージシャンやオーガナイザー、ホテルのフロントとかと話しているだけなので、フランスでも最近みんな英語話すと思っていたら、市場では英語はまず通じませんでした。よくフランス人は英語が話せるのにお高くて話さないとか思っている人もいるようだが、私が思うにフランス人は日本人並みに外国語が苦手。
夕方ホテルのロビーで待ち合わせてナントの会場、パノニカに。ホテルから徒歩ですぐ。ここではちょうど1年前に違うバンド、KAZE+モリイクエで来ている。サウンドチェック後に会場の上階にある楽屋で休む。楽屋隣にダイニングルームがあって、スタッフも一緒に夕食。主催者は昨年のコンサートは都合で不在だったが、数年前に彼がディレクターをしていた別の都市、フランスブレストの会場でKAZEをブックしてもらったこともあり、久しぶりの再会で会話も弾む。サーモンと温野菜いただいた後にたくさんのチーズが出てくる。あ〜、ワインが飲みたい!!が、すぐに酔っちゃう私はコンサート前は我慢我慢。
今回のTrio SANのデビューアルバムリリースツアーの今日が最終日。日本人女性3人のユニットというのが集客にプラスに働いたのか、この会場での以前のコンサートより多くの人に来ていただいた。演奏も満足の出来で、アンコールも3人でまた歌いまくっちゃった!
3人でホテルまで歩いて戻り、またまた薬きめておやすみなさい!
11/18(土)
今日はついにパリのホテルで夏樹に合流できる。いつも一緒にツアーしているので、二人とも単独行動は緊張の連続。私はナントからパリまで直通電車で2時間ちょっと、パリのモンパルナスの駅から徒歩15分くらいのところのホテルで、しかも駅から真っ直ぐの道なので、多分問題ない。夏樹はスイスのベルンから電車でチューリッヒの駅に、そこからパリまで飛んでタクシーでホテルまでの道のり。
私はナントを11時過ぎの電車で出るので、主催者がホテル10:15ピックアップのタクシーをアレンジしてくれた。その3時間くらい前に祐子さんと易子さんはそれぞれストラスブールとベルリンの自宅に向かった。そのタクシーがオンタイムだったから、心配していなかったのだが、私のタクシーが時間を過ぎても来ない。ホテルのフロントに相談して別のタクシーをアレンジしてもらう。もう10:30だった。別のタクシーは10分でくるというが、電車に乗り遅れたらと超不安。そこに余裕の表情で主催者のアレンジしたタクシーが登場。悪びれもなくトランクにスーツケースを入れてくれ、乗車したらクラシックのピアノ協奏曲が優雅に鳴り響いている。内心、まじか!間に合うのか?!と不安。駅には渋滞もなく着いて一安心。駅のモニターでまた出発ホームの知らせを待ち、乗客みんなで荷物を引きずりながらホームに。乗車して席に着く。普段だったら即座に爆睡なのだが、一人だから緊張。オンタイムでモンパルナスの駅到着、この駅が巨大。まずは駅の中を迷って右往左往。外は冷たい雨が土砂降り。Google mapを頼りにホテルまで、雨の中、コートのフードを被り向かう。広い道だし一本道だし、迷うことはないと思っていたのに、Googleさんが迷っている様子。右行け左行けと出される指示はどうも怪しい。その上ようやく到着したと思ったらホテルがない。え〜〜〜〜!!と思って道の反対側見たらそこにあった。チェックインして部屋に入り、途中で買ってきたクロワッサンで遅いランチ。
こんなに地理が苦手で、ユーラシア大陸の西の方にあるフランスの首都パリにいるというくらいの方向認識しかない私がスイスから飛んでくる夏樹と本当に会えるの??ホテルのwifiに繋いで、彼からの連絡を待つが、フライトの到着時間を過ぎても彼の電話がオンラインにならない。フライトを確認したら遅れてはいるようだが、バッゲージタッグがメールで送られてきたから、必ず搭乗はしているはず。ずいぶん時間が過ぎてもオンラインにならずにどんどん心配になる。skypeで電話しても「電源が入っていないか、電波の届かないところにいます」という。え〜〜〜〜!?どんどんどんどん心配になる。私は着陸した途端に携帯電話のフライトモードを切るタイプだが、田村さんはそんなことは気にもしない。散々待たされて心配しまくったところにメッセンジャーでタクシーに乗車したという知らせが入る。どうしてすぐに連絡してくれないのと、早速文句。空港から渋滞でパリのホテルまで1時間半かかってようやく到着。まずはホッとする。
再会を祝してディナーはホテル近所の怪しいフレンチ。夏樹はステーキ、私は謎の海鮮丼。ワインをちょっとだけ頂いて、またまた睡眠導入剤でぐっすり。
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11/16(木)
朝、夏樹に連絡。イスタンブールに無事到着していた。羽田からのフライトが1時間以上遅れたのでイスタンブールの乗り換えに広い空港の端から端まで走らされたらしい。若くないから大変。昨日スリにあったと報告したら、げ! と驚いて心配してくれている。が、一晩休んだらもうそんな事ありました?という驚異的な回復力に我ながらびっくり。
朝食してから、部屋で銀行にも念の為電話。あとはつい最近とったマイナカード。調べたら海外からかけられる電話番号がなく、海外で紛失したら日本の家族に頼んで連絡するようにとある。日本のいる両親は97歳と90歳。とてもじゃないけど負担になるから頼めない。高齢化少子化なんだから、ちょっと考えて欲しい。結局、チャットでオンライン中の親しい友人はいないか探したら、吉田達也さん。チャットで話しながら彼に電話をかけてもらった。いい人だ。お歳暮を送る約束をした。
ロビーで9時半に待ち合わせてから、タクシーで駅に。今日はトラベルデイで仕事はオフ。電車で4時間半、乗り換えなしだから気が楽。3人でお話ししているから1時間くらいに感じる。二人が持ってきてくれたサンドウィッチでランチ。途中車内アナウンス。フランス語だけだから祐子さんしか理解できない。なんでも急遽ナント行きが違う駅に向かうことになったとか。ヨーロッパの旅は飽きさせてくれない。まだ決定したわけではないから後からのアナウンスを待つようにと。まあ、今日はオフだから辿り着ければいいだけ。ただ、ナントの駅に迎えにきてくれる主催者に伝えないと。30分くらい様子見ていたら、やっぱりナントに向かいますという車内放送。日本だったら暴動だ!
ナント到着。ちょうど1年前に違うバンドで演奏している。ここに来るのは3回目くらい?車でホテルに送ってもらう。チェックインしてのんびりしてから食事に繰り出すことになる。ナントは海の近く。3回もきているのにそれも知らなかった私はかなりの問題児。フランスは毎年1、2回はきているのだし、フランス人とのバンドKAZEはもう13年くらい共演している。せめてフランスの地図を把握しなくてはと反省。ホテル近所の美味しそうなお店、みんなメニューの「いか」に心惹かれて、開店と同時に飛び込んだら、なんと予約で満席、数週間前から予約が必要な人気店。でも、他の美味しい2店を紹介してくれてそちらに向かう。通りからちょっと奥まったところにあり、レストラン初めて間もないせいか値段も安くテーブルも空いていたその店はこれまた超美味しかった。ふたりはジビエの小鳩、私はホタテをいただく、前菜のビーツのサラダがこれまた美味だしうつくしいし。閉店までおしゃべりが弾んでから、ホテルに戻る。こんな日はツアーでは滅多にない。まあ、しょっちゅうだったら大赤字だ。
今夜もしっかり薬で眠る。
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今日はストラスブールから次の公演地リヨンに移動。電車で乗り換えなし4時間の移動。駅前ホテルだからロータリーの向かいまで行けば電車に乗れる。駅で朝待ち合わせて電車に乗り込む。それにしてもヨーロッパの電車のシステムはどうにかならないものかといつも思う。モニターに出発ホームが直前に示されて、乗車する人たちが一斉に大きな荷物を持って歩いていく。難民気分だ。ホームで待っているとさらに直前に出発ホームが変更になることもしばしば。全く気が抜けない。そして、ホームでは自分の予約した号車がどこに着くのか右往左往。その上、提示された場所に電車が停車しない場合もしばしば。多くの電車はホームから2、3段のステップを大きな荷物もって車両に乗り込まなければならない。そして、荷物を置ける場所を見つけるのがまた苦労。車両端の荷物置き場は早く行かないといっぱいになっちゃう。ようやく予約席に落ち着き、日本人のおばさん3人(私以外のお二人はお姉さんです)で4時間ノンストッピングお話し。祐子さんは本当に話が面白い人で全く飽きることなくリヨンに到着。
リヨン駅からトラムでホテルまで移動。祐子さんがフランス語で切符の買い方を聞いて、切符をゲット。その切符は車内で刻印という仕組み。あとから乗ってきた10代の女の子が片言の英語で話しかける。ちゃんと刻印した?見せて?大丈夫?可愛い少女で、言葉が少しおかしいので障害があるのかな?と思いつつお話をしてた。彼女は私のすぐ左に立ち、窓の外を指差し、私はこれからあそこに行くの、とか、私の注意をそちらに引く。でも、まさか…だった。
トラムを降りてホテルに向かう。荷物をドロップして、ランチタイム過ぎたらすぐに閉まってしまうレストランに滑り込む。私は魚のスープをいただく。これは魚のポタージュという感じでブイヤベースとは全然違う。美味しく幸せな時間を過ごし、さあお勘定となって初めて財布がないことに気が付く。どう考えてもあのトラムで左側に下げていたショルダーのファスナーを開けてすられたとしか考えられない。かなり動転して、今度はさっきまで使っていたiPhoneがない気がして呼び出してもらったらポケットに入っていた。とにかく財布に入っていた現金は諦めるにしてもクレジットカードを止めないと。ホテルに戻りロビーでパソコン、iPhoneを使って日本のクレジット会社に電話。スカイプにチャージしてあったので、電話がかけられて本当に助かった。不正利用も見当たらないと言われて、まずはほっとする。あと何を財布に入れていたのか?日本の健康保険証と運転免許証とATMカード、それからインターネットバンキングのカードも。まあ、どれも海外で使うのはハードルが高そう。夏樹に連絡したくても彼は今、羽田からイスタンブールに向かう機上。別のところに入れていたパスポートとパスポートホルダーは無事。しかも有事の際にとパスポートホルダーに入れていた現金があって、なんとか乗り切れそうだ。4日後にパリで夏樹と落ち合うことになっていて、そうすれば彼のクレジットカードもあるから大丈夫。
リヨンのクラブ、ペレスコープまで3人で歩いていく。この辺りも結構やばそうな雰囲気。暗くなったらとてもじゃないけど歩きたくない。会場に着くと、写真家がいてリハーサルから撮影してくれた。彼曰く、私は以前リヨンに演奏に来ているらしい。全く記憶にない!リヨンは初めてだと思っていた。昨晩の会場よりも音響が良くて助かる。夕食は隣にあるこのオーガニゼーションのダイニングルームでベジタリアン。美味しかった。演奏も気持ちよく、アンコールはなんと3人で歌ってしまった!祐子さんは常磐津?私は民謡インプロ、易子さんは北海盆唄!終演後、そのせいなのかCDがよく売れた。
歩いてホテルにいくのが怖い私は会場にいたここで毎月インプロセッション企画しているアルトサックスのお兄さんにお願いして送っていってもらうことに。無事にホテルに着き部屋に入り、しばし呆然とする。海外で盗難に遭ったのはこれが3回目。最初はアメリカサンフランシスコで駐車場に停めたレンタカーのリアガラスをわられてスーツケースを持って行かれた。外からは見えないガラスだから大丈夫と思って、しかも受付の人がいる駐車場だからと駐車して演奏後に戻ってきたらやられていた。2回目はベルリンの空港のカフェで。フライト待ちながらメールしていた。カバンは体につけて置いていたし人はほとんどいなかった。気づいた時にはカバンごとなくなっていた。パスポート、財布、携帯電話、家の鍵、何もかも入っていたのでこの日は飛べなくて大変だった。まだベルリンに住んでいる時だったので自宅に戻って夏樹の鍵で家に入り、領事館に連絡して帰国だけできる旅券の代わりみたいなものを発行してもらった。そして、今回が3回目。まあ、でも怪我したわけではないし元気だし。
スリをしたあんなに若くて可愛い少女の将来の方が心配になる。彼女の輝かしい将来がこんなつまらないことに費やされるのはそれこそが悲劇だと思う。
到着してから毎晩服用している睡眠導入剤を飲んでゆっくり休む。
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11/14(火)
でやっぱり、お薬飲まなかったら、3時間ちょっとで目が覚めた。今から飲んだら朝のリハーサルに影響しそうなので、3時くらいに起き出してメール整理したり、スケジュール確認したり。6:30に朝食一番乗り。しっかりいただいて部屋に戻りまた一仕事。朝9時に昨晩ラモンに教えてもらった近所の電気屋さんにMacの充電ケーブルを探しに行く。ニューヨークの5番街にあるような怪しい店とは違い、素晴らしい製品が並んでいる。純正品もあるが、それよりも高いが充電スピードも早いし、アダプターもついているというケーブルをゲットする。これでもう大丈夫。
今日からTrio SANでのプチツアー。今夜のストラスブールでのJazzdorフェスティバルを皮切りにフランス内で3本の仕事。今月10日にリリースされたTrio SANのデビューアルバム「HIBIKI」のリリースツアーでもある。メンバーはストラスブール在住のドラムの大島祐子さん、ベルリン在住のvibraphoneの齊藤易子さん、それに日本在住の私。3人の別々の国に住む日本人ミュージシャン。リハーサルは地元の音楽大学で10時から。祐子さんが車で迎えに来てくれて、学校に。今年の1月に日本でツアーしているので、それなりに慣れている楽曲だが、より面白くならないかということも含めて練っていく。でも、ついつい話が弾んで時間が過ぎていってしまう。13時半まで一応全てリハーサルして、近所のフラムクッヒェン(これはドイツ語名)レストランに繰り出す。薄い生地に具が乗ったピザみたいなものだけど、ピザよりずっと軽い。この辺りの名物フード。いったレストランは伝統的なトッピングばかりでなく、かなりクリエイティブなものもあって、どれも美味しかった。一旦ホテルに戻り、部屋で一休み。フェスティバルの迎えで会場にいく。こういうところのドライバーは大抵ボランティアの音楽好きの人。話したらアメリカ人で、フランス人の彼氏がいたのでストラスブールに住んで、別れた後もそのまま住んでいるそうだ。マサチューセッツのアムハーストの人で、懐かしくて話が弾んだ。ジャズのスタンダード集、リアルブックや譜面をアメリカから持ち込んでフランスで売ったら十分生活費になったという話は面白かった。
久しぶりに演奏するJazzdorのフェスティバル、会場も以前とは違うところになり、レーベルも運営し始めたディレクターのフィリップはかなりのやり手。どこの国でもこういうことにはお金がかかる。日本やアメリカは行政のサポートが少ないから企業や個人の資金になるが、ヨーロッパはどこもその地域の都市の助成金で成立させている。まあ、助成金を取れるかどうかにかかっている。もちろん羨ましい部分もあるが、そのために奔走するのもなんだか嫌な気がする。もちろん、フェスティバルのようなオーガニゼーションには助成金申請する係の人がいる場合が多いようだ。会場に着いたら早速今夜の対バンのジェームス・ブランドン・ルイスのバンドにあう。ミュージシャン同士、初対面で旧知の仲になるという不思議な人種。会場でサウンドチェック。鳴りが難しい会場で、ピアノの鍵盤弾かずにペダル踏んだだけでハウリングが始まる。こういうところよくあるんです。私としては、正直なところ、会場が広くてもPAなしにしたいくらい。でもフレンドリーなPAエンジニアで助かる。私はいつもそうだが、モニターの返しは一切使わない。サウンドチェック後、夕食。フランスのオーガニゼーションは大抵手作りの料理が楽屋にある。フェスティバルで多くのミュージシャンがベジタリアンというのを考慮して、メニューはベジタリアン。流石にフランス。何もかも美味しかった。
無事に初日の公演終了。地元で家族や親戚も来ている祐子さんは緊張したみたいだが、満足の出来、聴衆にもオーガナイザーにも喜んでもらえた。
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